確定申告無料相談 in 三宅島

令和4年分確定申告島嶼地区無料出張相談会に相談員として参加させて頂きました。今回お伺いしたのは東京都の南方海約180キロメートルに位置する三宅島です。別名「バード・アイランドぉ!」 中でも、天然記念物で絶滅危惧種に指定されている日本固有のツグミの仲間、アカコッコは島にとって自然保護のシンボル(至るとこにアカコッコのシンボルを目にすることが出来ます)です。赤褐色のお腹に愛くるしい顔つきが特徴なアカコッコは、イタチの捕食や畑の減少、噴火などによる生息環境の変化で個体数が大幅に減ってしまったため、現在では様々な取り組みによって保護されています。伊豆諸島では“アカッパラ”の愛称で親しまれているそうです。

宿泊した場所では、アカコッコを見にきましたァ!というご夫婦もいらっしゃいました。三宅島は、2000年6月26日の噴火を機に山頂から噴煙を伴う噴火が発生し、8月18日には上空14000メートルまで噴煙が立ち上りました。無風だったため島内全域に降灰。そして雨が降るとともに、山頂や山腹から泥流になって流れ出し、次第に堆積し島全体の60%近くの緑が消失してしまったそうです。「昔は、三宅島での相談会場へは、ガスマスクを持っていったんやで!」と大ベテラン広報部員のS先生が教えてくれました。

今回の行程は令和5年2月10日(月)から12日(水)の二泊三日です。相談会会場となったのは、「ここぽーと」という、正に名前のその通り、ここは船着き場!の2Fで行われました。さて三宅島といえばキンメダイやマグロ漁。キンメダイは金色に光る大きな目と鮮やかな赤い魚体が特徴です。近年、高級魚として全国的に注目されるようになりました。そういうわけで相談内容も漁業に関係するものが多いのが特徴です。

「“カメ(亀)”の減価償却って何年ですか?」

「か、“カメ(亀)さん”ですかぁ? ちょっと待って下さいね。カメ、カメ」

漁師の奥さんから、いきなり知らないことを聞かれて初っ端から焦ってしまいました。

確定申告の手引、「生物の償却」の場所を調べましたが載っていません、、、

「あのぅ、魚を取るのに“カメ(亀)”が必要なんですか?」

「あ、スイマセン! カメっていうのは船の貯蔵庫のことなんです。たぶん漢字で書くと“カメ(甕)”だと思うんです。でも、旦那も旦那の友達も皆カメ、カメっていうもので。わたしもカメが甕だと知りませんでしたァ 笑」

こんな感じで集まった多くの島民の方々の相談をお受けしました。島は漁業や農業も主要産業であることから、港区内ではほとんど見かけることのない内容もあり、慣れない対応にも何とか業務を終えることができました。

最終日、「飛行機が飛ばないかもしれません!」と、魚釣りが趣味だという、ちょっとだけヤンキーっぽい役場のお兄さんが慌ててとんできました。なんと、飛行機の調子が悪く、今日は出発が出来ない可能性があるとか!私たちは慌てて船のチケットを購入し、飛行機会社には「出発が可能になったら連絡下さい!」と伝え、それでも“飛行機で帰れるかも”という希望を捨てずにフェリーに並びました。しかし、、、そんな希望も脆く、結局フェリーの出向までには電話は無かったのです。そして、フェリーで三宅島から離れたその瞬間、「飛行機、本日飛びます!」の電話がまるでお笑い漫画のようにかかってきました。

飛行機で40分の行程を、船酔いしながら6時間かけて竹芝にたどり着いたときには日もどっぷり暮れ、こうして本年も無事に無料相談会が幕を閉じました。