租税教育

令和3年7月14日(水)利島小学校および中学校での租税教育に参加させて頂きました。今回お伺いしたのは東京都の本州島側地域の南方海約140キロメートル、大島の南西約25キロメートルに位置する利島です。砂浜はなく、断崖絶壁に囲まれた利島は美しい自然があります。なんと島全体の約8割が椿林に覆われ、その本数は約20万本(椿油の生産量は日本一!)と言われており、冬になると島中で咲き誇る椿の花を見ることができます。島では稲作ができないため、江戸時代は、お米の代わりに椿油で年貢を収めていたそうです。そんな自然美が豊かな利島は、夜空もまた美しく、多くの星座や天の川を肉眼で見ることができます。また近年、利島港周辺にはイルカが棲みつき、ドルフィンスイムも評判だそうです。利島は小さな島ですが、都内では考えられない稀有なことが詰まった島でもありました。

島しょ地区の子達はやはり自然と近くに暮らしていることもあり、のびのびとした性格の生徒さんが多く、積極的に質問もしてきてくれました。以前、社会科見学で行った芝税務署で1,000万円のイミテーションを持った経験もあり、税理士という職業にも興味を持ってくれました。コロナ禍での授業ということで、税金集ゲームも通常のように実施することは出来ませんでしたが、その集め方は国会で決められ、その国会議員は選挙によって選ばれているという民主主義の仕組みについて、一人一人が真剣に聞いてくれたことが印象的でした。

 授業後、担任の先生が一緒に給食を食べましょうとお声がけ下さりました。「給食の準備が出来ました」と呼びに来てくれた生徒さんは、「島の人300人全員が顔見知りなので、今日の民主主義の話、とても大切だと思いました」と稀有な感想を頂きました。船が出発するまで校長先生が島を案内してくれました。「島では刺し身を食べたくなったら自分で釣りに行くのが普通です」と稀有な島の台所事情をお話下さいました。島には縄文時代から人が住んでいたそうです。島の人々は昔から信心深く、山の神様が祭られている神社が多数あります、人口に対して神社の割合が日本一多い稀有な島と言われているそうです。

こんな利島ですが、島には高校がないので、中学を卒業したら生徒さん達は、都内の高校へ進学し高校生から一人暮らしするそうです。給食を食べながら隣の男の子に、来春から一人暮らしだけど不安じゃいのですか? と聞いてみたら、「いえ、高校になったら一人で生活するのは島では当たり前です。大丈夫です!」としっかりした逞しい口調で答えてくれました。稀有なことを、こんなとにも発見することができた利島の租税教育でした。

利島小・中学校ホームページ